カスタマーハラスメント対応方針

当社は、お客様およびお取引先の皆様からいただくご意見・ご指摘を真摯に受け止め、サービスの改善に努めてまいります。一方で、社会通念上許容される範囲を超えた言動に対しては、職員を守るため、毅然として、公正かつ組織的に対応いたします。

1. はじめに

当社は、海陸一貫輸送および倉庫・通関業務を通じて、お客様の大切な貨物を安全・確実にお届けすることを使命としております。

その前提となるのは、現場で働く職員一人ひとりが安心して業務にあたれる環境です。当社は、お客様・お取引先の皆様と当社職員の双方の人権が互いに尊重されてはじめて、安全で質の高いサービスを継続してご提供できるものと考えております。

このような考えのもと、当社は「カスタマーハラスメント対応方針」を定めました。本方針は、法令の改正やハラスメントに関する社会的な状況の変化に応じて、随時見直しを行います。

2. 基本方針

お客様およびお取引先の皆様からいただくご意見・ご指摘は、当社のサービスを改善するための貴重な財産です。当社の業務における不備や過失に対する正当なお申し出については、今後も真摯に受け止め、改善に努めてまいります。

一方で、社会通念上許容される範囲を超えた言動は、職員の尊厳と就業環境を害するだけでなく、輸送の安全そのものにも影響を及ぼしかねません。当社は、カスタマーハラスメントを一切容認せず、こうした行為に対しては毅然として、公正かつ組織的に対応いたします。

3. カスタマーハラスメントの定義

当社は、カスタマーハラスメントを次のとおり定義します。

社会通念上許容される範囲を超えて、顧客、取引の相手方、施設利用者その他の関係者等が理不尽な要求や、暴言・暴力などの著しい迷惑行為を行い、働く職員の就業環境を害すること

本方針にいう「顧客、取引の相手方、施設利用者その他の関係者等」には、当社のサービスをご利用中またはご利用をご検討中の法人のお客様、当社とお取引のある事業者、積込み・荷卸し場所の関係者のほか、当社の事業活動に関して当社または当社職員に対しお申し出をいただくすべての個人・法人・団体を含みます。

また、本方針にいう「職員」には、当社の従業員のほか、当社の業務に従事する派遣労働者および協力会社の従業員を含みます。

本方針は、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参考に、2026年10月1日に施行される改正労働施策総合推進法の趣旨を踏まえて策定しています。

4. 該当するかどうかの判断の考え方

お客様等による言動がカスタマーハラスメントに該当するかどうかは、主に次の3点から総合的に判断いたします。

  1. 要求の内容に妥当性があるか
  2. 要求を実現するための手段・態様が、社会通念に照らして相当な範囲か
  3. その他、当社職員の就業環境を害する行為にあたるか(意図的でない場合、悪意がない場合を含みます)

当社の業務における不備や過失に対する正当なご指摘は、カスタマーハラスメントには該当いたしません。ご指摘の内容が厳しいものであること自体をもって、カスタマーハラスメントと判断することはございません。

5. 対象となる行為の例

カスタマーハラスメントに該当する行為の主な例は、以下のとおりです。これらに限られるものではありません。

身体的・精神的な攻撃

  • 暴行、傷害その他の暴力行為
  • 暴言、威嚇(大声を出す等)、脅迫、詰問、誹謗中傷、侮辱、名誉毀損
  • 職員の人格を否定する言動、差別的な言動
  • 土下座の要求など、過度な謝罪の要求
  • 職員個人に対する攻撃、責任追及、解雇その他の社内処分の要求

拘束的・執拗な言動

  • 収束の見込みのない質問やクレーム、不退去、居座り、長時間の拘束
  • 繰り返される言動、執拗な言動、言葉尻をとらえる言動、揚げ足を取る言動
  • 同一または類似の内容を、複数の部署に対して繰り返し申し立てる行為

威圧的な言動・信用の毀損

  • 法的措置、SNSへの拡散、報道機関や関係官庁への通報をほのめかす言動
  • 当社または職員の信用を毀損する内容や、個人情報等をSNS等へ投稿する行為
  • 職員の容貌、氏名等を承諾なく撮影・録音し、または公開する行為

妥当性を欠く要求

  • 契約または運送約款に定めのない対応の要求
  • 合理的な理由のない金銭、補償、謝罪の要求
  • 天候、道路事情、他の事業者に起因する遅延など、当社の管理が及ばない事象に対する過度な補償の要求
  • 事実と異なる申告により、補償または特別な取扱いを求める行為

輸送の安全を損なうおそれのある要求

  • 過積載となる運送の指示、要請または容認
  • 異常気象時など、安全な運行が困難な状況における運送の強要
  • 拘束時間、休憩、速度その他の運行の安全に関する法令上の基準に反する運行の指示または要請
  • 立入りが禁止された区域への立入りの指示、または必要な安全装備を欠いた作業の指示

積込み・荷卸しの現場における行為

  • 契約に定めのない附帯作業(荷役、仕分け、検品、清掃等)の一方的な要求
  • 合理的な理由のない長時間の待機の強要
  • 積込み・荷卸し場所において、乗務員個人に対して行われる叱責、罵倒、責任追及
  • 職員の指名や性別の指定による対応の強要

その他の迷惑行為

  • 当社の事業所、倉庫、車両等への許可のない立入りまたは撮影
  • 職員に対するセクシュアルハラスメント、盗撮、つきまとい行為
  • 飲酒を伴う迷惑行為、職員に対する飲酒の強要
  • 運送約款、社内規程および関係法令に則った当社の判断に対する、正当な理由のない受容の拒否

6. カスタマーハラスメントに該当すると判断した場合の対応

当社は、まず合理的かつ理性的な話し合いによる解決に努めます。そのうえで、カスタマーハラスメントに該当すると当社が判断した場合には、当該行為を直ちにおやめいただくよう、注意または警告をいたします。

改善が見られない場合、または行為が悪質であると判断した場合には、状況に応じて次の対応をとることがあります。

  • 対応の打切り
  • 以降のお取引またはサービス提供のお断り
  • 警察その他しかるべき機関への通報
  • 弁護士と連携のうえでの、民事上の法的措置
  • 刑事告訴

これらの対応にあたっては、事実関係を確認したうえで、公正かつ慎重に判断いたします。

7. 当社の体制と取組み

本方針を職員が正しく理解し、適切に運用できるよう、当社は次の取組みを通じて体制の整備を行っています。

  • 本方針および社内規程(ハラスメント防止規程)による会社としての姿勢の明確化と、全職員への周知・啓発
  • カスタマーハラスメントへの対応方法および手順の策定
  • 職員に対する教育・研修の実施
  • 職員のための相談・報告体制の整備
  • 警察、弁護士その他の外部機関との連携体制の整備

カスタマーハラスメントを受けた職員に対しては、そのケアを最優先といたします。また、相談したこと、または事実関係の確認に協力したことを理由として、職員に不利益な取扱いを行うことはありません。

あわせて当社は、当社の職員がお取引先の従業員の方々に対して本方針に掲げるような言動を行うことのないよう、教育・指導を行ってまいります。

8. お客様・お取引先の皆様へ

当社は、お客様およびお取引先の皆様との良好な関係を、何よりも大切にしております。本方針は、皆様との信頼関係をこれからも維持し、安全で確実な輸送をお届けし続けるために定めるものです。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2026年10月1日
菱中海陸運輸株式会社
代表取締役社長 中村 英二